──サンバイオの株価は臨床試験に関するリリースで乱高下してきた。情報開示についてどう考えるか。

 上場企業として当社の重要事実を最速で開示しています。開示内容に応じたインパクトがあることは承知しています。

 臨床試験では手術をしてSB623を投与する患者、手術はするがSB623を投与しない患者がいます。これは先入観を与えないためのダブルブラインドという手法です。つまり患者も効果の評価者も、患者がSB623を投与されているのか偽手術を受けたのか知らず、知っているのは投与する医師だけ。途中経過は当社にも知らされません。試験結果を突然開示するのは、そういう事情なのです。

 治療法のない脳神経の疾患に効く薬を開発したい。そのためには資金が必要ですが、創薬ベンチャーは売り上げから利益を出して研究開発をしているわけではなく、開発そのものが事業です。提携企業と株主の方の協力があってこそ開発が続けられると思っています。

(経済ジャーナリスト・大場宏明/編集部・中島晶子)

AERA 2019年2月25日号

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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