書き出された支出の中に浪費は見つからないが、使途不明金の7万円はチマチマしたムダ遣いで消えている可能性が高い。

「まず夫婦の財布を合算し、何にいくら使っているかを“見える化”することから始めましょう。どちらの名義でもいいので家計専用の口座をつくり、給料が入ったら夫婦それぞれが決まった額を振り込む。引き落としはすべて家計専用口座にまとめて、生活用の現金もここから引き出して使う」(横山さん)

 ざっくりでいいので、家計簿をつけるようにというアドバイスも。「以前、レシートをスマホで撮影するだけのアプリを使ってみたけど続かなかった」と振り返る女性に、「最初のうちは紙に書いたほうが管理している実感が持てますよ」と横山さん。支出の内訳を把握するのが最優先だという。

 何にいくら使っているかがわかれば、家計のムダや貯蓄に回せる額がわかる。記録する行為そのものにより、意味のない買い物や使途不明金は減る。

 貯蓄額が決まったら“貯める専用の口座”を別につくり、家計口座から自動引き落としで積み立てられるように設定する。

 意外なことに、1カ月の支出を把握するうえで面倒なのがクレジットカードだという。買い物日から支払い日までにタイムラグがあるため、お金の流れが見えにくい。「ポイント目当てのカード払いが多いんです」。すると横山さんは「家計がスムーズに回るまで、カード払いを避けましょう」と提案した。

「ポイントは還元額以上に消費を加速させてしまい、ムダな支出にもつながりやすい。現金払いで損した気分になるならブランドデビットカード(VISAやJCBなど国際ブランドのクレジットカードの決済機能を利用してその場でお金を払う)やQRコード決済はどうでしょう。ポイント付与や割引もあり、銀行口座から直接振り替えするので管理が楽です」(横山さん)

 たとえばLINE PayやPayPayは登録した銀行口座から事前にチャージするプリペイド方式を選べる。Origami Payは事前にチャージしなくても、支払い時にQRコードを読み取るとその場で銀行口座の残高から支払われる。

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