今年10月に消費税率が10%に上がることが予定されている。そこで小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ」3月号では、「消費税」「税金」の問題を根本から考える特集を組んだ。消費税率がアップすれば、子どもたちはお小遣いの使い方に、さらに頭を悩ますことになるかもしれない。

【調査】小中学生のお小遣い(月刊ジュニアエラ 2019年3月号より)
【調査】小中学生のお小遣い(月刊ジュニアエラ 2019年3月号より)

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 消費税は昔からあった税金ではない。日本で消費税が始まったのは、30年前の1989年4月のこと。消費税とは、商品を買ったときやサービスを受けたときにかかる税金だ。始まった当時は3%だった税率が、その後2回引き上げられて、現在は8%だ。店で買い物をした後、レシートをよく見ると、いくら消費税を払ったかがわかるようになっている。

 私たちが店に払った消費税は、ほかの人が買った商品の消費税と合わせて、店の人が税務署に納める。納められた消費税は、国や地方公共団体(都道府県や市区町村)が使うお金になる。消費税率8%の場合、国に6.3%、地方公共団体に1.7%が行くことになっている。

 消費税を導入し、その後、徐々に税率を上げてきたのは、なぜだろうか? それは、国の支出(歳出)は増加傾向にあるのに、国の収入(歳入)は1990年頃から減り始め、今も支出と収入の差が大きく広がったままだからだ。その結果、国債など国の借金が増え続けている。

 国の収入が減り始めた主な原因は、日本の高度経済成長の時代が終わり、会社や個人の収入が減ってきたからだ。会社や個人の収入が減れば、法人税や所得税も減るので国の収入も減る。一方で、日本は高齢化が進み、医療や介護、年金などに使う社会保障費が増え続けている。その結果、借金が積み重なってしまったというわけだ。

 そこで、考えられたのが消費税を導入することだ。消費税は、買い物をしたりサービスを受けたりするすべての人から税金を取る方法なので、国の安定した収入につながる。だから、反対する人が多くても、3%、5%、8%と税率を上げて、今年の10月にはさらに10%にする予定だ。税率を2%上げて増える分は、幼児教育の無償化、低所得者の暮らしの応援などの社会保障費や国の借金の返済に当てる予定だ。

 バンダイの調査によると、親からもらう1カ月のお小遣いは、小学低学年が645円、小学高学年が1483円、中学生全体が2143円。消費税率が上がると、小中学生のお小遣いの使い方にも影響が出るかもしれない。

※月刊ジュニアエラ 2019年3月号より

ジュニアエラ 2019年 03 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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