引きこもり当事者が部屋の「自撮り」を公開 イメージを覆す花、パッチワーク… (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

引きこもり当事者が部屋の「自撮り」を公開 イメージを覆す花、パッチワーク…

このエントリーをはてなブックマークに追加
有馬知子AERA
部屋の写真からは「ひきこもり」と、ひとくくりにはできない彼らの多様な生活ぶりが透けて見える。「思いを言葉で表せない当事者も、シャッターを押すだけの写真という方法なら表現に参加できる」(渡辺さん) (c)I'm here project 2018-2019

部屋の写真からは「ひきこもり」と、ひとくくりにはできない彼らの多様な生活ぶりが透けて見える。「思いを言葉で表せない当事者も、シャッターを押すだけの写真という方法なら表現に参加できる」(渡辺さん) (c)I'm here project 2018-2019

渡辺篤さん。「社会に出ていても、抑圧を受けて精神的にひきこもっている人はいる。生きづらさは当事者だけの問題ではない」(撮影/有馬知子)

渡辺篤さん。「社会に出ていても、抑圧を受けて精神的にひきこもっている人はいる。生きづらさは当事者だけの問題ではない」(撮影/有馬知子)

「気持ち悪い自分を愛してあげたくて、インターネットを徘徊しては模索する日々です。産んでくれてありがとうと両親に言える日が来ることを祈り、今日も生きています」(女性)

 別の当事者の部屋は、テレビやエアコンなど必要最低限の家具しかないがらんとした空間だ。「学校に行けなくなって、断続的にこもって10年過ぎました」という。ベッドの上にはアライグマのぬいぐるみがちょこんと置かれ、わずかに部屋の空気を和ませている。

「写真を見ているうちに、当事者がひきこもった事情まで、じわじわとこちらに迫ってくる感覚がある」(渡辺さん)

 空き缶などのごみに埋もれた写真もある。部屋の主は「夜中にコンビニへ出かけては、缶チューハイを買って飲んでいます。部屋にごみがあることで、こんな自分を罰している気がして安心できます」というメッセージを寄せた。

 反対にきちんと整頓され、ほとんど私物のない部屋も見られた。だが渡辺さんは「片付いた部屋が、過度な潔癖症や、物欲すら失った無気力状態を暗示しているのかもしれない」と話し、当事者の精神状態はむしろ深刻な場合もあると指摘する。(ジャーナリスト・有馬知子)

AERA 2019年2月18日号より抜粋


トップにもどる AERA記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい