池井戸潤、野村萬斎の演技に「もはや新次元のキャラクター」 映画と原作の違いとは?

坂口さゆりAERA
 野村萬斎を主演に映画化した、池井戸潤原作のクライムサスペンス『七つの会議』。『半沢直樹』の出演俳優が再結集した同作について、彼らは何を思ったのか? それぞれの目線から会話を繰り広げた。

「池井戸潤×野村萬斎『ハッピーエンドじゃないと嫌』その真意とは?」よりつづく

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池井戸潤:映画を見て僕は絶対、萬斎さんは原作を読んでないと思っていました。原作を読んでいたらこんな演技ができるはずないって。読んだ上であの演技をやるなんて、ものすごい企みだったんだと気がつき、今、ちょっと感動してます。八角の異常な笑い、ぜひ着信音に欲しい(笑)。小説とは違う、新しい次元の違うキャラクターを作ったところが素晴らしいですね。

野村萬斎:嗅覚みたいなものですかね。営業会議で始まる冒頭のシーンは部長からここまで罵倒されるかというほど非難されますからね。そこで、どうやってぐうたらを表現するかというと、開き直って意図的にいびきを聞かせるくらいじゃないと。お客様も肩透かしを食らうくらいでないと、ズッコケますよね。かえって嘘くさくなるかなと思いました。でも、一種の賭けだった気がします。監督がどうジャッジするかなと。そういう意味で言うと、営業部で絶対的な存在である北川部長を演じた香川照之さんの飛ばしぶりが呼んだ演技なのかもしれません(笑)。

池井戸:原作はシリアス寄りになっているんだけど、この映画はみんなが大真面目に演じている「遊び」なんですよ。

萬斎:なるほど(笑)。

池井戸:この映画を社会派と呼ぶのは違うと思う。純粋にエンターテインメントです。演技そのもの、誰がどの役をやってどう演じるかということが、そもそも面白い。日曜劇場では「半沢直樹」から色々な作品がドラマ化され、いろんな役者さんが熱演してきてくれましたけど、今回そうした懐かしい役者さんたちが勢ぞろいしながら、違う演技をしているのがすごく面白い。立川談春さんも片岡愛之助さんもそう。談春さんが出てきた時は思わず笑っちゃった。

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