子どもでも、いや、子どもだからこそ、小さな悩みをだれに相談していいかわからず、一人で抱え込んでしまうもの。そんなときはぜひ、聞かせてください。ズバッと解決してみせましょう。小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』で連載中の「小さなことでも気軽に! こなやみ相談室」。今回の相談は「好き嫌いについて」。回答者はコラムニストの石原壮一郎さんです。

【Q】ゴーヤがきらいです。苦くておいしくないからです。でも、お母さんは食べろと言います。食べなくても死なないんだから、無理して食べなくてもいいんじゃないですか?(たくやさん 宮城県/8歳)

■嫌いな食べ物に挑むことは幸せに生きるための近道!

 ゴーヤなんて食べなくても死なないというたくやさんの言い分は、たしかにもっともです。ただ、嫌いな食べ物を少し無理して食べるのは、何を隠そう、幸せに生きる第一歩であり近道といっていいでしょう。

 今のたくやさんは、ゴーヤをおいしくないと思っています。でも、あの味が大好きな人もたくさんいます。たくやさんもいつか、ゴーヤの魅力に目覚める日がくるかもしれません。「えっ、おいしいじゃん!」と思えたら、それはとても幸せなことです。

 食べ物にせよ友達にせよ、「最初は嫌いだったけど今では大好き」と気持ちが変わることは、人生において山ほどあります。仕事や趣味にしても、楽しさを感じるまでにはそれなりに苦しい思いをするのが常。そして、最初から大好きなものより、嫌いが好きに変わったほうがより深く好きになれます。

 ゴーヤをがんばって食べることは、この先たくやさんが、たくさんの「好き」や幸せに出合うことにつながっているはず。そんな壮大なイメージを抱いて、ゴーヤのほろ苦さをかみしめてみましょう。たくやさんの人生に深みを与えてくれるのは、そのほろ苦さです。

※月刊ジュニアエラ 2019年2月号より

ジュニアエラ 2019年 02 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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