もう1件の家庭を紹介します。Wさんの長女Nちゃんは小学1年生。野菜が苦手な肉食派女子です。実は赤ちゃんの頃から便秘に悩み、4歳までは緩下剤の内服が毎日欠かせなかったそうです。浣腸をすることもしょっちゅう。腸に異常がないか、検査を受けたこともありました。

「今は大分良くなりましたが、それでも排便は2日に1回。しかも排便時に痛みを感じるようです。出血を伴うこともありました」(Wさん)

 便秘を直すことだけではなく、娘に腸を大事にすることを知ってほしいと、腸活にチャレンジしました。しかしWさんは看護師さん。毎日とても忙しく、料理に時間がかけられないため、ポイントを絞ってできることから始めたそうです。

 そんなWさんの家庭で取り組んだのが、「主食(お米)の見直し」「毎日湯船につかる」「マッサージやストレッチを行う」「排便の記録を付ける」の4つ。

「まず、白米を食物繊維が豊富なもち麦に変えて毎食取入れました。料理に使う油も腸をやさしく刺激すると言われているオリーブオイルに変え、起床時はお水をコップ1杯飲ませたんです」(Wさん)

 生活面ではシャワーが多かったのを湯船につかるようにして、お風呂から上がるとお父さんに本を読んでもらいながら、お母さんからもマッサージ。至福の時間となり、毎日ねだられたそうです。

「遊びがてら一緒にストレッチもやりました。うちは1週間たたなくても、取り組み始めた翌日から、いい感じのお通じになったんです。本人もスッキリするらしく、色々なことに前向きになり、苦手だった果物も収穫体験をすると食べられるようになりました」

 色々実践しましたが、実は「できる範囲でできそうなものだけやろう、と気楽に取り組んだのが継続できた理由」とWさんは話します。

 取り組む前と後でいちばん変わったことは、「親子で楽しんで腸活について考えたこと」とみなさん口をそろえて言っていました。便秘は何か一つだけ対策をしていけば治るものではありません。生活全体の中でやりやすいものをいくつか選ぶこと、無理のない範囲でやって継続することが改善のコツだと実感した腸活チャレンジでした。

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AERA編集部
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