「かわいい」「行ってみたい」「おもしろそう」「楽しそう」

「大きな反響を得るのは、視聴者が疑似体験できるからでしょう。日本の街を歩いて、食べてみて、買ってみて、着てみる。具体的な内容に大きな刺激を受けるようです」(山本さん)

 もうすぐ春節。中国インバウンドには今後どんなニーズが見込まれるのか。

「北京オリンピックを22年に控え、中国は国を挙げてウィンタースポーツに力を入れています。スキー人口も増えていて、スキーツアー客が増加すると思います」(山本さん)

 課題もある。中国人観光客が求めるサービスと日本側の提供体制に、まだ乖離があるからだ。

「表参道の人気の美容室に行ったり、エステを受けたり、日本ならではの美容体験をしたい中国人は多い。けれど、言葉の壁もあり、サービスが追いついていない。多くの人は諦めざるを得ないんです」(ソーシャルバイヤー・Joyouさん)

「先日、友人に頼まれて、温泉旅行をアテンドしました。和風の旅館に泊まって温泉に入りたい、と思っても、どうしていいかわからない個人客は多いようです」(ソーシャルバイヤー・阿杯=アベイさん)

 都市部でも地方でも、「とっておき体験」の発信が観光客を呼ぶカギになるようだ。(編集部・澤志保)

AERA 2019年2月4日号より抜粋