(c)2019映画「マスカレード・ホテル」製作委員会 (c)東野圭吾/集英社
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 東野圭吾原作の映画「マスカレード・ホテル」。劇中で、ホテルのフロントとバックヤードを何度も行ったり来たりしながら仲を深めていった主人公の二人。演じた彼らは何を思ったのか? まるごとバックヤードの会話が繰り広げられた。

【映画「マスカレード・ホテル」のポスターはこちら】

*  *  *

──「マスカレード・ホテル」では、型破りな刑事の新田と、真面目なフロントクラークの山岸という、正反対の二人がコンビを組んで事件の捜査を進めていきます。それぞれ役を演じられてみていかがでしたか?

木村拓哉:物語の中盤で、新田が刑事を志した理由を語る場面があるんですけど、父親から「割に合わない仕事だぞ」と言われても、「誰かがやらなかったら世の中がきれいにならないじゃないか」って答える部分にすごく共感しました。山岸も同じくらいフロントクラークという仕事に誇りを持っていて、「何でそこまでできるの?」ってくらい客に対する気遣いがすごい。そこらへんは、しっかり長澤さんが表現してくれてたよね。

長澤まさみ:私は、山岸はすごく真面目な人だなと思いました。本当にずーっと真面目(笑)。

──「ストーカーから守ってほしい」とか、いくら何でもそれは無茶じゃないかと思う要求にも、山岸は応えていましたよね。

長澤:「お客様には徹底的に尽くす」というのが、山岸の仕事の美学なんだと思います。ただ、個人としては当然違う思いもある。そこの本音というか、人間らしさをどう表現していくか、さじ加減が難しいなと思いながら演じていました。反省点も多いですし……。

木村:例えばどんなところが?

長澤:全体的に……。

木村:よし、撮り直そう(笑)。

──劇中では、最初はそりの合わない二人が、自分の仕事を全うすることで、少しずつ信頼関係を築いていきます。お二人が、仕事相手と信頼関係を築くために心がけていることは?

長澤:シンプルですけど、キチンと芝居をすることです。例えばホテルでも、トイレに入ったらトイレットペーパーが切れて芯だけ残ってるみたいなことがあったら嫌じゃないですか?

木村:確かにそれは嫌だ(笑)。

長澤:やっぱり雑な仕事をしていたら、誰も信頼してくれなくなってしまうと思います。

木村:僕の場合は、一度現場に入ったら控え室に戻らず、ずっと現場にいますね。

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