2018年のノーベル医学生理学賞は「免疫」の研究をしている本庶佑さんたちが受賞。免疫は、私たちの健康にかかわる大切な体のはたらきだ。たとえばインフルエンザにかかりやすいこの季節は、体の中で免疫が大活躍している。小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ」2月号の特集「免疫のちから」に掲載された記事から、免疫とはどんなもので、どんなはたらきをしているのか、一部紹介するよ。

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■免疫ってなんだ?

 私たちの身の回りには、微生物があふれている。多くは無害だけれど、なかには病気を引き起こす「病原体」(細菌やウイルスなど)がいる。

 そんな私たちの体に害を及ぼす病原体が体に入ってきた場合、異物として体から排除するはたらきをしているのが「免疫」だ。

 私たちの体は、呼吸をしたり、食べたり、皮膚に傷をつくったりするたびに、目、耳、口、傷口など、あらゆる開口部から病原体に入り込まれる可能性がある。もし免疫がなければこれらを排除することができず、命にかかわる病気になってしまう。熱が出たり、下痢をしたりしても、たいていの場合治るのは、すべて免疫が正常にはたらいてくれているおかげなんだ。

■「免疫細胞」とは?

 免疫は、特定の場所でだけはたらくわけではなく、血管やリンパ管、臓器、皮膚・粘膜などあちこちで活動している。免疫のはたらきを受け持つのが、血液中にある白血球の一員、「免疫細胞」だ。

 免疫細胞は、体中をめぐって、全身をパトロールしている。頭のてっぺんでも、足のつま先でも、どんなところでも、いざ病原体が体の中に入って増える「感染」が起きたときには、免疫細胞が力を発揮する土俵となる。その場に駆けつけ、病原体を退治して体を守ってくれるんだ。

■免疫の力を正しくはたらかせるための4つの基本

 免疫細胞は健康であれば体内に侵入してきた病原体にも負けないけれど、体が弱っていると病原体に負けて病気にかかりやすくなってしまう。免疫の力を正しくはたらかせるための4つの基本をチェックしておこう。

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AERA編集部
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