とはいえ、数千円程度の少額資金しかない人は株式市場で株を買うのは難しい。前述のNTTドコモは株価2388円×100株=23万8800円で配当利回り4.6%、JTは株価2511円×100株=25万1100円で配当利回り5.97%。20万円台、う~ん……。

「そんな人向けにネット証券では1株単位――銘柄によってはワンコインで株を買える単元未満株サービスを用意しています。単元未満株サービスと呼ばれるものですが、通常は100株単位の株を1株から買えます」(マネックス証券の益嶋裕さん)

株式市場で直接買うのに比べると手数料は割高ですが、毎月決めた金額をつみたてられるネット証券もある。数十万円、といわれると腰が引けるが数千円の投資で利回り5%前後の配当がもらえるなら、やってみようかという気になる。

 しかしなぜ1株から買えるのか? 仕組みがよくわからない。

「証券会社が投資家の注文をまとめて市場から株を購入し、1株単位に小分け販売してくれるサービス、と考えてください」(益嶋さん)

 マネックス証券の場合は「ワン株」、SBI証券は「S(エス)株」など各社で名称に違いはあるが、株を1万円分買ったときの手数料は最安で50円。普通に株を買うのに比べると売買手数料が高めだが、入り口としてはいい。

 カブドットコム証券では「プレミアム積立(プチ株)」といって、500円以上1円単位で単元未満株のつみたて投資ができるサービスもある。

「株式市場の中には、最低株数を買うのに数百万円の資金が必要な株も、多くはないですがあります。たとえばゲーム会社として有名な任天堂を市場で買うには、300万円近くの資金が必要です。

 1株単位といっても配当は保有株数に応じてもらえますよ。さすがに1株では株主優待の権利はもらえませんが、つみたてを続けて優待がもらえる最低株式数に達するまでがんばりましょう」(岡村さん)

(経済ジャーナリスト・新藤良太、伊藤雅浩)

※アエラ増刊『AERAwithMoney毎月5000円でつみたて投資!』の記事に加筆・再構成