「ペアーズ」は「コミュニティ」が充実。趣味のほか、ライフスタイル、ビジネスなど多岐にわたる/プロフィルに好感を持てば「いいね!」/相手からも「いいね!」が来ればメッセージを送れる(エウレカ提供)
「ペアーズ」は「コミュニティ」が充実。趣味のほか、ライフスタイル、ビジネスなど多岐にわたる/プロフィルに好感を持てば「いいね!」/相手からも「いいね!」が来ればメッセージを送れる(エウレカ提供)
AIが発見した「意外な相性」(AERA 2019年1月21日号より)
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恋活・婚活マッチングサービス市場は急拡大(AERA 2019年1月21日号より)
恋活・婚活マッチングサービス市場は急拡大(AERA 2019年1月21日号より)

「運命の人」は紹介や合コンよりアプリで探す時代になった。本人も知らない相性を見つけ出すのはAI。精度向上に東大の研究室も乗り出した。

【男女の相性って不思議?AIが発見した「意外な相性」はこちら】

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 それは「奇跡」とも言える出会いだった。

 男性は40代のバツイチ。勤務医をしながら子どもを育て、年に数カ月は医療支援の仕事で海外の紛争地・被災地に赴く。ハードな生活の中で、老後を穏やかに過ごせるパートナーを探していた。理想は「知的なキャリア女性」。だが自分が結婚相手として好条件でないのは百も承知。少しでも可能性を広げようと、恋活・婚活アプリ「Pairs(ペアーズ)」に登録した。

 使うのはスマホ。職業や身長、学歴、自己紹介文などとともに「海外旅行が好き」「インドア派」「間取り図妄想族」など10万を超える「コミュニティ」からユーザーは好きな分野を登録する。好みの条件を入れておけば、AI(人工知能)が次々と候補者をオススメしてくれる。気になった人には右スワイプで「いいね!」。相手からも「いいね!」が来ればマッチングが成立、メッセージをやりとりできる仕組みだ。

 男性医師が「赤い糸」をつかんだのは南スーダンにいた時のこと。就寝前にアプリを開くと久しぶりに「いいね!」が届いていた。ドキドキしながら画面をタップ。現れたのは40代の日本人女性で居住地は「アメリカ」とある。アフリカの地でアメリカ在住の女性と出会うとは──。

「彼女はプロフィルの文章が印象的でした。この年齢になると外見より中身重視。彼女も『海外経験あり』というコミュニティで僕を見つけたそうです」

 くしくも彼女もバツイチ子持ち。キャリアもある様子ですぐに「いいね!」を返した。その後2カ月間はメールやLINEで「文通」し、実際に会ってから7カ月でゴールインした。

「こんな出会いもあるんだと自分が一番驚いてます」(男性)

「ネットでの出会い」といえば、かつて「出会い系」が社会問題化したが、2012年ごろから真剣に恋人や結婚相手を探す人向けの「恋活・婚活アプリ」が登場。サイバーエージェントやリクルートなど大手の系列も次々参入し、市場規模は23年には852億円に達すると予測される。

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