特にいまの若い世代は、「金儲け」に対して嫌悪感を持つ人も少なくない。さらに野村證券が扱う株式、投資信託などの金融商品は、とっつきにくいイメージもあるだろう。身近な存在のYouTuberを通して金融・経済に触れることで「自分ゴト化」してほしいという狙いがある。

 UUUMの担当者も、動画を使ったプロモーションのメリットをこう説明する。

「動画の場合、商品やサービスの理解を深めやすい。15秒CMだと、商品名の刷り込みはできても機能の認知までは難しい。例えばゲームなら、こんなふうに遊ぶと楽しいんだよ、と楽しみ方まで伝えることができます」

 作り込みすぎないリアル感、視聴者が自分もやりたいと感じられる身近感。旧来メディアにはないそれらが、今の時代とマッチし人々を惹きつける。人気の作り手たちはそれをわかったうえで、「プロではない素人」にこだわり中毒性あるコンテンツを次々と作り出す。YouTubeの存在感は今後ますます増すに違いない。(文中一部敬称略)(編集部・高橋有紀)

AERA 2019年1月21日号より抜粋