(c)2019 映画「雪の華」製作委員会
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 中島美嘉の名曲をモチーフにした、映画「雪の華」は、全編の半分を北欧・フィンランドで撮影した意欲作となった。主演する登坂は「芝居の世界はアウェー」だと語る。表現者として、彼はそこで何を見て、何を感じたのか。

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──映画出演を決められた最大のポイントはどこでしたか?

 僕はふだんアーティストとして音楽活動をさせていただいているので、お芝居は本職ではありません。2014年に公開された「ホットロード」に出演させていただいて、この世界の大変さや厳しさも少なからず体験していたので、実はもうお芝居の仕事はないだろうなと思っていました。

 ですが、楽曲をモチーフにした映画という企画に、音楽に携わる人間として魅力を感じました。何より、何年もずっとスタッフの方が「やりましょう」と言い続けてくださって、僕を必要としてくださる声にお応えしようと思いました。

──音楽と芝居の切り替えはうまくいきました?

 まったく違うものなので、スイッチを切り替えるのは大変でした。ましてや、僕は器用ではないので、どちらかをやっているときはそちらが100%になる。二足のわらじは履けないんです。だから撮影中は、この作品のことだけを考えるようにしました。

 僕はお芝居が上手なわけでもないし、「役者です」なんて言える立場でもないですから、その道のプロフェッショナルが集まる場には、下手でもいいから100%で挑まないと、僕自身が耐えきれないと思いました。

──撮影の一番の感想は?

「大変でした」の一言につきます。各部署のプロフェッショナルが一つの画を撮るのに集中する中で、撮っていただく立場の自分がどういう立ち居振る舞いをするべきか。撮影期間中、ずっと考えていました。

 それに、僕は今回、わりと走るシーンが多かったので、体力的にも大変でした(笑)。特に、フィンランドでは雪の中を全力疾走しましたから、寒いし、呼吸困難になるし、過酷でしたね。でもその分、美しい画になっていると思います。自分でも完成品を見て「報われた」と思いました。

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