ラグビー校は、1567年の創立当初は寄宿を基本とする男子校だったが、現在は共学。生徒は806人で、うち男子が53%。90%がイギリス人だ。13歳から18歳までの生徒の9割が寮生活を送っている。学費は年間約3万ポンド(約420万円)。

 オックスフォード、ケンブリッジの両大学に10%強が進学。スポーツや音楽、演劇の教育にも重きを置いているが、「ラグビーはもちろん、わが校にとって大変重要な存在です」とグリーンさん。男子は必修。課外活動も盛んで、100人以上が在籍し、うち1軍でプレーできるのは、15人のレギュラーを含む22人だけだ。

 その1軍キャプテンを務める、アラン・メヒター君(17)は、ラグビーが強い、この学校を自ら選び13歳から通っている。学校チームでの週3~4回に加え、プレミアリーグの地元チーム「ノーサンプトン・セインツ」の育成組織でもプレーしている逸材だ。同時に、学校からプリフェクト(監督生)に指名される優秀な生徒でもある。

「ラグビーをすることで、フィジカルもメンタルも鍛えられます。でも何より、自分のためではなく、チームのためにプレーすることの大切さに気づける」とアラン君。ラグビーはまさにフェアプレーの塊だ。

「礼儀正しく、お互いを尊重し合いながら、試合で全力を尽くす。一旦試合が終われば『ノーサイド(敵味方なし)』と言われるように、友好を深める伝統のあるスポーツでもあります」 と鶴岡大使も言う。

「日本人の気質に非常に合っているのではないかと思います」

 深い歴史と伝統のあるこの競技を、今年、ラグビーW杯日本大会の会場で体感してはいかが。チケットは19日10時から公式サイトで一般先着販売される。(朝日新聞出版・伏見美雪)

AERA 2019年1月14日号