子どもでも、いや、子どもだからこそ、小さな悩みをだれに相談していいかわからず、一人で抱え込んでしまうもの。そんなときはぜひ、聞かせてください。ズバッと解決してみせましょう。小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』で連載中の「小さなことでも気軽に! こなやみ相談室」。今回は「忘れ物が多い」という相談。回答者はコラムニストの石原壮一郎さんです。

【Q】忘れ物ばかりしれいます。この間は、ランドセルを忘れて学校に行ってしまいました。どうすれば直りますか?(トリケラトプスさん 東京都/10歳)

■忘れるというのは人間の特技 多いか少ないかは小さなこと

 ランドセルを忘れて学校に行くなんて、たいしたもんじゃありませんか。そのとき、あなたの頭の中には、ランドセルなんかより大切で楽しい何かが、いっぱい詰まっていたのでしょう。何が詰まっていたのかは忘れても、その武勇伝は大人になってからも覚えていて、誰に話してもウケる鉄板のネタになってくれるはず。楽しみですね。

 たとえば、マメにメモを取るといった対策もありそうですけど、たぶんメモを取ること自体を忘れるでしょう。無理に直そうとしても、すぐに直るものではありません。忘れ物をして本当に困ったら次から忘れなくなるので、気長に減らしていけば大丈夫。

 そもそも忘れるというのは、人間が天から与えられた特技です。人生はつらいことの連続ですが、どんどん忘れてしまえるからこそ、日々を笑って過ごすことができます。忘れ物をするのは、人間だから当たり前。それが多いか少ないかは、極めて小さなことです。自分はダメだと思う必要はありません。

 いっそのこと、自分が忘れ物が多いことも忘れてしまえればすべて解決なんですが、残念ながらそううまくはいきませんね。

※月刊ジュニアエラ 2018年12月号より

ジュニアエラ 2018年 12月 増大号 [雑誌]

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AERA編集部
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