「なし崩し」「檄を飛ばす」「やおら」 本来の意味わかりますか? (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「なし崩し」「檄を飛ばす」「やおら」 本来の意味わかりますか?

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※イメージ写真(写真:iStock)

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 言葉は絶えず変化するもの。どんなふうに変化し、受け入れられていくのだろうか? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された記事を紹介する。

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 借金を「なし崩しにする」という言葉。みんなはあまり使ったことがないかもしれないけれど、どちらの意味だと思うかな?

 文化庁が発表した2017年度の「国語に関する世論調査(※)」によると、「なし崩しにする」の本来の意味とされる「少しずつ返していくこと」と答えたのは19.5%で、「なかったことにすること」と答えた人が65.6%もいることがわかった。正反対ともいえる使われ方に変化していることに驚くが、これにはどんな意味があるんだろう?

『広辞苑第7版』の編集責任者である岩波書店の平木靖成さんによると、「言葉はたえず、語彙、意味、発音、文法などあらゆる面で変化するもの」だという。

 例えば、『広辞苑』を開くと、本来の意味から新しい意味へと語義が並べて示されていて、「やさしい」の最初の語義は「身も痩せるように感じる。恥ずかしい」。「わかる」の最初は「きっぱりと離れる。別々になる」となっている。これを、それぞれ元の意味にしたがって“運動会で転んでしまって、やさしかった”や“東京駅で二人はわかった”では、現代ではまったく意味が通じない。このように時代によって変化する言葉は、「正しい」「間違っている」と単純に割り切れるものではないのだそう。

「言葉はコミュニケーションの道具である以上、相手や世間の人々とその意味・用法を共有しなければ役に立ちません。近年の変化に違和感を覚えても、その変化した言葉を使う人が増えて年月を経れば、誰も気にしなくなって受け入れられていくのが言葉というものです」(平木さん)

 さらにもう一つ、みんなは「ほぼほぼ」という言葉を使ったことがあるかな? 今回の調査では、20代以下の5、6割が「ほぼほぼ」を「使うことがある」と答えたのに対し、60代以上では1割程度にとどまった。「ほぼほぼ」は「ほぼ」を重ねて強調した言い方で、「ほぼ」より完全に近い状態を示すという見方もある。あえて言いづらく長い言葉にするのは不思議な気もするが、実際、若い世代を中心に広まり、三省堂の「今年の新語2016」の大賞にも選ばれている。こうした言葉が一時の流行か、日本語として定着するかはわからない。けれど、言葉はたえず変化するユニークなものとして、現在の使い方や本来の意味に注目していきたいね。

(※)調査は18年3月に実施され、16歳以上の男女2022人が回答。


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