ありがたい話だが、これも相続争いの火種になる可能性もある。遺産を受け取る人が増えれば、各相続人が受け取れる財産は減少する。介護にかけた時間などの算出でひと悶着起きる可能性は高い。

「そのため、介護に携わる際には相続人でルールを設定して共有すべき。介護時には被介護者の状態や、かかった労力や費用も共有すること。介護ノートをつけたり、介護の様子を写真に撮ってスマホ等に保存しておくと、トラブルを抑制できるでしょう」(曽根さん)

 いやらしく感じるかもしれないが、相続に関する話し合いには首を突っ込むほうが得策だ。(ジャーナリスト・田茂井治)

AERA 2018年12月31日号-2019年1月7日合併号