遺言を親に書いてもらうには、「ステップを踏んでいくことが重要」と大山さんは提言する。

「いきなり『遺言を書いて』と言われたら、親も気分が悪い。そこでまず、介護が必要になったり認知症になったりした場合の自宅修繕や後見人の話などから入っていく。死を見つめてくれるようになったら、亡くなった際の葬式や墓のことなどを徐々に整理していき遺言を書いてもらう雰囲気づくりをする。そして、遺言がなければ残された家族や親族が、家を守ることもできなくなる可能性があることを伝え、遺言を残してほしいと思いを話す。これらを、半年から1年近くかけ伝えていくことが大切です」

 帰省シーズン。家族・親族がそろったら、親の話に耳を傾け今後についてじっくり話し合ってみよう。互いの思いにも向き合う、絶好のチャンスだ。(編集部・野村昌ニ)

AERA 2018年12月31日号-2019年1月7日合併号より抜粋