「兄嫁は私に実家の遺産を一円も渡さない、この家は自分の息子がもらう。私の両親が亡くなったら自分はそう動くと言っているというんです」(女性)

 いったいどういうことなのか。兄嫁は気が強いが仲はよく、兄嫁が実家の遺産を独り占めしようとしているとは微塵も考えたことがなかった。

 女性は遺産にこだわっているのではない。兄とは2人きりのきょうだいということもあり、ずっと仲良くしたいと考えている。しかも自分は20代から東京に出て、好きなことをさせてもらってきた。一方で兄は、実家近くに住み、数年前から介護が必要になった父(80)の入浴介助から病院への送り迎えまですべてやってくれ、感謝しかない。

「そんな両親や兄から相続を放棄してほしいと言われれば言うことを聞くと思うが、兄嫁から言われたら納得いきません。その時は、私もキレると思います」(同)

(編集部・野村昌ニ)

AERA 2018年12月31日-2019年1月7日合併号より抜粋