紀平梨花、自信喪失していたジュニア時代 躍進の背景に“粘り” (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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紀平梨花、自信喪失していたジュニア時代 躍進の背景に“粘り”

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野口美恵AERA
紀平梨花はシニアデビュー1年目。スケートに集中するため、通信制のN高校に通い、移動中にパソコンで勉強して練習時間を確保する (c)朝日新聞社

紀平梨花はシニアデビュー1年目。スケートに集中するため、通信制のN高校に通い、移動中にパソコンで勉強して練習時間を確保する (c)朝日新聞社

「ここ2年は、トリプルアクセルをすることで他の選手よりもミスが多くなっていて、そこで自信をなくして、自分が弱いとまで思っていました」

 浅田真央の引退以降、国際大会でトリプルアクセルに挑んでいる女子は、世界でも紀平だけだった。無理なアクセルをしないほうが勝てるのが、女子のセオリー。実際に紀平は、タイトルがかかる試合になるとアクセルをミスし、ジュニアGPファイナルは2016年、17年とも4位、18 年世界ジュニアも8位。しかし、粘った。

「アクセルという大技をしないという選択もあったけど、やり続けてきました。やらないほうが良かった、という思いをしたくなかったので。その苦労を今シーズンに晴らしたいと思っていました」

 技術的には練習で8割を超える成功率にまで完成していたが試合だけミスをする。緊張のコントロールを探った。

「この2シーズンたくさん失敗をして、そこから学びました。自分がどんな状態になるとミスをするのか。試合でしか経験できないことでした」

 試合でしか、特有の心理状態は経験できない。ミスを重ねながら経験を得ていった。

「私の場合は、とにかく緊張しすぎるとダメ。だから試合前はなるべく緊張しすぎないように笑顔で過ごします。周りの人に話しかけてもらってリラックスして待つことにしています」

 リラックスして待つことで、うまくいく試合もあった。しかし本番前までは笑顔でいても、スタートポーズをとった瞬間に緊張する試合もあった。

「ポーズをとった瞬間に『この試合のために練習してきたんだ』とかいろいろ考えてしまって、一気に緊張していました」

 今夏にはアイスショーにたくさん出演し、本番の空気を体験した。

「ショーはいつも完璧な演技ができなくて苦手でした。暗い状態で照らされてどこまでがリンクかわからない状況だと、集中が欠けていたんです。そのことに気づきました。それにショーでは、お客さんの前に出た瞬間からその空気に慣れて、ジャンプを跳ばなきゃいけない。そういう環境を学べました」


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