子育て中の親の悩みに、「親に言われないと、子どもが動かない」ということが多く見られます。うるさく言わなくても、子どもが自分で自分の予定を考え、行動できるようになったらどんなにラクか。でも、言わないとますます動かない……。毎日のジレンマですよね。

 発売中の『AERA with Kids冬号』(朝日新聞出版)では、親がうるさく言わないのに、時間管理力が身についている子どもたちの家庭を取材しています。どんな工夫をしているのでしょう?

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【CASE1】「年の離れた4人の子どもが、それぞれ自分で動く」しくみ

 中2・小6の女子に、小3・4歳の男子と4人きょうだいのG家。共働きなので、お母さんは毎日ばらばらのスケジュールで行動する4人の子どもたちのことを把握するのは至難のわざと話します。

「お姉ちゃん達は自分でサクサク動いてくれるので、余計なことは言わずにその日の予定の確認だけで済むのですが、小3の長男に時間管理を習慣づけるのに苦労しました。ガミガミ言っても聞いてくれませんし……」(Gさん)

 そこで考えた末に、Gさんがつくったしくみは次の3つ。

<しくみ(1) 大好きなサッカーを中心に時間を組み立てる>
 それまでは、何より学校の宿題が優先でしたが「今日はサッカーの練習があるけど、宿題は何時にやる?」「サッカーの自主練やるんだよね。宿題はそのあとかな?」など、サッカーを中心に予定を考えさせるように声をかけると、これが大成功! サッカーをするためには、そのほかのことをいつ、どこからこなせばいいかを考えるようになりました。

<しくみ(2) 通信教育のドリルで、ゲーム時間をゲット!>
 ついついさぼりがちな通信教育のドリルは、やり終えたページ数に応じてゲームの時間を許されるしくみ。たくさん学べば、その分ゲームが長く楽しめます。遊び感覚でドリルもどんどんはかどるように。

<しくみ(3) 朝、習い事に行く時間を子どもに言わせる>
 朝、登校前に今日の予定を親子で確認。このとき、お母さんは「塾に間に合うには、何時に家を出れば間に合う?」と「質問」することがポイント。「うーん、4時半に出れば大丈夫」と子どもに答えさせることで、自分で考え、時間感覚が身についていったといいます。

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AERA編集部
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