「ひとり親だから」学校が娘のいじめをスルー? 鴻上尚史の回答は… (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「ひとり親だから」学校が娘のいじめをスルー? 鴻上尚史の回答は…

連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」

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鴻上尚史AERA#鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。早稲田大学在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。現在、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に活動

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。早稲田大学在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。現在、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に活動

いじめ・不登校についての悩み(AERA 2018年12月10日号より)

いじめ・不登校についての悩み(AERA 2018年12月10日号より)

 学校や行政が娘のいじめを取り合ってくれないのは、ひとり親で発言力がないからと悩む母親に、作家・演出家の鴻上尚史さんが答える。

【アンケート結果】いじめ・不登校についての悩み

*  *  *
●母親の悩み

 娘が小3の時にいじめにあいました。同じアパートに住む同級生が娘を無視したことから始まり、学級全員と話すことがなくなりました。やがて同じアパートの子は引っ越しましたが、集団による無視は続きました。娘は家で引きこもり、表情がなくなり、担任に学校での様子を聞くと、「何も問題ない」との回答のみでした。

 4年生に進級後、娘は心を病み、学校を休みがちになりました。新任の先生との保護者面談で、ようやくいじめがあったことを聞きあぜんとしました。

 意を決して、保護者会の際に保護者全員に実情を話し、皆さんにも考えてほしいと訴えました。でも、「うちの子から事情を聞きました」と同情してわびた保護者に対し、別の子に責任を転嫁するような発言をする保護者もいて、全体が沈黙してしまいました。

 そこで、行政窓口に相談した後に学校を訪れると、対応した学務課長は、「すみません。しかし、お子さんは生きてますよね?」と。まるで、娘が自殺しなければ問題ないと言われたようで、怒りがマックスに達しました。

 結局は、うやむやのまま娘は卒業。誰も取り合ってくれないのは、私はひとり親で発言に力がないからでしょうか?(52歳女性、東京都)

●鴻上さんの答え

 もちろん、世界各地にもいじめはありますが、「学級」というシステムを維持するために、マイナスの同調圧力によってクラス全員が一人を無視する。これって、世界にはない日本特有のいじめなんです。

 はっきり言って、このお母さんがシングルマザーだとか、PTAの役員をしていないからだとかは関係ないと思います。たとえ、両親がいる家庭で父親が学校で声を荒らげて訴えたとしても、同じでしょう。これは、いじめの報告・調査をする組織と、処罰する組織とが一緒になった「権力が集中した教育委員会」に対して「問題なく終わらせたい学校」という、日本の教育の構造の歪みが原因ですから。


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