「座る位置からくるステータスシンボルは作らないようにしましょう。つまり、上座・下座といった考え方をやめて、自由に座ったほうがいい。上座に上司が座ると、その人を優先しなければならないというタテマエが生まれます。フランクな立場で本音を話そうという意思を、まずは場所で示すのです」

 次に、上司側の話し方だ。堀田教授は言う。

「話し方や態度などでどれだけ相手と対等な立場を保てるか。上下関係をなくす工夫が必要です。話し手本人が、会社の上下関係を飲み会の席に持ち込んではいけません」

 話すテーマも重要だ。武勇伝は代表的なNGトークだ。

「先輩として言っておくけど……みたいな話は最悪です。本人はよかれと思っていても、相手は叱責されたと感じてしまいます。対等の立場でサッカーの話でもしていたほうが、両方がハッピーです」

「飲みニケーション」には様々な効果がある。上司も部下もセクハラ・パワハラ抜きで楽しめる飲み会を目指したい。(編集部・川口穣)

AERA 2018年12月3日号より抜粋

著者プロフィールを見る
川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

川口穣の記事一覧はこちら