中学受験で難しい塾選び。「AERA with Kids秋号」(朝日新聞出版)では、中学受験専門カウンセラーの安浪京子先生と、実際に子どもの中学受験を経験した保護者3名の方との「本音トーク」の座談会を企画。塾選びだけでなく、入塾後にも親ができることについてホンネを聞いた。

※「『そこまでやっていいんだ!』の声も… 塾で『いい先生』を味方につけるために父親が取った行動とは?」よりつづく

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Oさん:受験って、普段では起きないような嫉妬が起きますよね。それで人間関係がうまくいかなくなったり、塾に対して不信感が募ったり。

Hさん:塾に対する不信感というか、塾は受験のプロだと思うから、いいようにのせられちゃうところがありました。娘は進学塾にも通っていましたが、家から一番近い教室ではなく、塾内で「合格実績ナンバー1」と言われている校舎まであえて電車で通っていました。塾の保護者会で「この校舎は、当塾で一番の伝説の先生がいます」みたいな話を聞いて、ハロー効果じゃないけど、娘はそんなすごい塾に通っているのだから成績も上がるはず!みたいな気になってしまって(笑)。でも、その塾で「伝説の先生」が教えていたのは、トップクラスのみ。その他のクラスは関係ありませんでした。一方で、今でも中学受験を終えたママ友と話すと、「うちの子もあっちの校舎に行かせれば第1志望に受かったかしら」って悔やんでいる人もいる。

安浪:塾の先生って異動するから、「この校舎なら絶対!」っていうのもないんですよ。それなら塾選びをどうするか。体験授業で子どもとの相性を見極めるのもいいけど、例えば「この校舎では毎回宿題リストをちゃんと出します」というような細かい指示ができているかどうかを確認することも大事。大手塾は校舎長の裁量も大きいので、要は「この校舎ではどこまでやるのか」を具体的に確認するといいと思います。

Hさん:入塾を検討する時期って、そこまでわからないですよね。この塾に入れるか、どのクラスに入れるか、そこしか考えられないから。

Sさん:ただ、どこの塾であっても、「交渉」という言い方はよくないかもしれないけど、先生とコミュニケーション取るべきだと思います。そのうえで、この先生はすごくいい、この先生に教えてほしいという先生にアタックする。塾では年に2、3回は恒例の面談もあるけど、その時だけじゃなくて、送り迎えなどで「先生、どこかで時間ください。ちょっと聞きたいことがあって」と足しげく通うしかないですよ。

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AERA編集部
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