Hさん:いい家庭教師を見つけるのも難しくないですか? うちは娘が4年生のとき、家庭教師の派遣センターに頼んで、コーチングもできて塾の宿題などのタスク管理もやってくれる女性の先生にお願いしたつもりが、実際に来たのはどこかチャラい男子学生(笑)。タスク管理もやらないので、本部に文句を言ったら「本人に伝えておきます」って。えっ、と思いましたね。

Oさん:それはコーディネーターがダメなんです。私もそういうのがイヤで、直接契約にして、家庭教師を面談し、目の前で体験授業してもらってから決めました。私は長女の中学受験をきっかけに、今は中学受験ママのメンタルトレーニングとコーチングを仕事にしていますが、家庭教師を見つけるなら、まず理想の家庭教師像を具体的に書いてくださいと言ってます。年齢、性別、出身、背丈、学校、性格とかなんでも。まさにその人がいるように。そのほうが理想に近い人を見つけやすいです。そこを詰めずに来てもらった家庭教師が「合わない」と感じても、そこから先生を変えるのは大変だし、子どもも振り回されます。

Hさん:確かに。でも実際に来てしまった家庭教師に対しては、断ったら悪いとか、思ってしまうんですよね。なんとなく。

Sさん:それはよくわかります。

Hさん:それと家庭教師をつけていることって、お母さんたちは内緒にしますよね。

Oさん:そうですね。よっぽど仲のいいママ友でない限り、言わないかも……。

Sさん:塾だけでなく家庭教師「も」つけるなんて言われがちですからね。だからバレると、やっかいなことになる。うちも京子先生に指導していただいていることが塾の友だちにバレちゃって、大変でした。「家庭教師もつけて、その程度なの?」とか言われたらしいんですよ。

安浪:子どもは容赦ないですよ。本当にひどかったですね。

Hさん:そういうこともあるから親は言わないんですかね。

Sさん:経済的な問題もあるじゃないですか。もちろん、家庭教師をつけている人が裕福、というわけではなくて、その家庭における優先順位だと思うのですが、どうしても変に勘ぐられてしまう……。

Hさん:なるほど。これはどうしようもないですよね。

Sさん:だから黙っておくのが一番。

※「中学受験で難しい塾選び 受験を終えた親が伝授する『交渉術』とは?」へつづく

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高濱正伸,安浪京子,tomekko

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AERA編集部
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