あるポイントカードでは数年前から、個人情報の第三者への提供も含めて本人の「同意」を取るようになった。改定に伴い、第三者への提供を正式に停止できるようにした。手続きは、ウェブでできる。専用ページも用意されていて、提供先のチェックを外すだけでその会社への提供は停止されるから、これはいい。一方で「やっぱり、という部分もあります。キャンペーンが受けられなくなるんです」(大学3年生)。

 ポイント利用で受けられたキャンペーン、たとえば、「月10回利用の20代女性に限定プレゼント」といった特典は受けられなくなる。企業としては第三者に個人情報を提供する事業をしようとしているのだから、それを拒否する利用者に対してはサービスの質も落として当然と思うのだろう。

 SNSでは、記事を投稿すると、たいてい「公開」の設定になっていて、世界中に向けて発信される。多くの人に見られるのはうれしいが、誰がどこで悪用するかわからない。早めに「友達」「家族」という限定的な設定に変えたほうがよい。

 中にはスマホから投稿した記事に、自分の「位置情報」を追加する機能を備えたものもある。この機能を有効にしていると、記事から自分の行動範囲が分かってしまうのだ。こちらも変更しておこう。最近は写真にも場所を特定する機能をつけられる。「ジオタグ」だ。これを有効にしておくと、どこにいるかが第三者にわかってしまう。

「悪用が怖いので、写真の場合はこのタグを外すようにしています」(フォトグラファー)

 もうひとつは「友達承認」。フェイスブック(FB)が評判になった06年頃に筆者の友人に起こった出来事だ。友人は塾の講師をしながら、ウェブでショッピングサイトを立ち上げた。FBでビジネス用ページもつくり、広告も打って積極的だった。

 ちょうど「友達申請」がはやっていた。ベトナムや中国の女性たちからたくさん申請があったので、片っぱしから承認していた。それから2~3年たって、友人のページがこの「友達」たちに乗っ取られたという。

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