少子化も「大学は成長産業」 ライフネット生命創業者創業者・出口氏が持論

柿崎明子,小柳暁子AERA

出口治明(でぐち・はるあき)/1948年、三重... (07:00)AERA

出口治明(でぐち・はるあき)/1948年、三重... (07:00)AERA
 日本が少子化にある今、大学にとっては厳しい時代……かと思えば、見方を変えるとそうとも言い切れないようだ。大学が今置かれている状況を取材した。

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 大学を評価する指標のひとつに、科研費(科学研究費補助金)がある。研究に対して補助される公的資金で、科研費が多ければ、それだけ活発に研究が行われていると評価できる。「大学ランキング2019」(朝日新聞出版)によると、科研費の配分総額は国立大が上位を占めており、私立大では慶應義塾大が10位、早稲田大が13位、立命館大が24位と続く。

私立大3位にランキングした立命館大理工学部機械工学科の飴山惠教授(63)は、申請時の代表・分担を合わせると24件獲得しており、件数・金額において同大トップを走る。

 著名な研究が往々にしてそうであるように、飴山教授が17年度に申請して採択された「調和組織」の発見も偶然の産物だった。教授の専門分野は構造材料で、なかでも大学の研究者が少ない粉末冶金を得意としている。金属の粉末を圧縮して固め高温で焼結して部品をつくる技術で、シンプルな工程から、さまざまな分野へ応用されている。

「構造材料はインフラ機器として使われることが多いので、安全を考えて強度を重要視します。金属の結晶を微細にすれば強度は上がるのですが、半面ねばり(伸び)がなくなるというパラドックスを抱えていました」(飴山教授)

 金属の粉末は容器に入れ、パチンコ玉のような硬球と一緒に攪拌して結晶を細かくする。ある時トラブルが生じて攪拌機が止まり、加工途中の不均一な粉末を固めたところ強さとねばりが備わった金属ができていたという。飴山教授が発見したこの調和組織は、微細結晶粒が粗大結晶粒を包み込んだネットワーク構造になっている。サッカーゴールの網のような伸びのある、それだ。

 科研費の審査には国際的な評価や実績などもあるが、もともとフランスの研究機関と提携しており、現在は調和組織のサンプルを9カ国14研究機関へ提供して共同研究を行っている。さらに神戸大学や静岡大学との連携も評価された。同プロジェクトは18年の6月に「基盤研究S」区分で採択され、1億5500万円の補助金支給が決定した。

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