一連の不正入試に関して釈然としないのが文科省の対応だ。柴山昌彦文科大臣は定例会見で同省が主導で調査している全国81大学の医学部医学科の調査について、複数の大学で不適切な事案が判明したと発表した。しかし、具体的な大学名も、対象となる大学の校数も明かさず、大学側に自主的な公表をうながすだけにとどまった。

 現在、自主的に公表したのは昭和大1校のみ。

 一連の不祥事を受け、政府は私立大学の急所にもメスを入れた。私立学校の教育の充実と向上、その経営の安定などを支援する文科省の外郭団体「日本私立学校振興・共済事業団」が、学校の管理運営が適切ではないなどとして東京医科大への今年度の私学助成金の交付を保留することを決めたのだ。交付するかどうかは来年1月に最終判断するという。(編集部・中原一歩)

AERA 2018年11月5日号より抜粋