8月上旬に話題となった、東京医科大学の女子入試問題。なぜこのようなことが起きたのだろうか? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された記事を紹介する。

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「夢は医師!!」

 化学メーカーのクラレが7月に発表した、この春小学校を卒業した子どもたちに「将来就きたい職業」を尋ねたアンケートで、女子のトップに初めて「医師」が躍り出た。さらに2位に看護師、7位に獣医師、8位には医療関係と、医療系が小学生女子の憧れになっている。

 そんなさなかの8月上旬、東京医科大学の入試で女子合格者を減らすため、女子受験生を一律に減点していたことが発覚した。得点を操作した理由は、「女性は年齢を重ねると医師としてのアクティビティー(活動性)が下がる」からだという。

 本当にそうだろうか。

 東京医科大学の卒業生で、精神科医として活躍する香山リカさんは、女性であってもアクティビティーは決して落ちないと話す。

「二十数人いた私の同級生の女性でリタイアしている人は一人もいません。一度は結婚や出産などを機に辞めた人はいるかもしれませんが、今は全員忙しく働いています」

 それよりも香山さんは、今回の入試不正は東京医大だけの問題ではなく、日本社会全体の問題としてとらえることが重要だと指摘する。

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AERA編集部
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