一方で、日本では、秋元康とコラボ予定だったが韓国ファンたちの抗議により白紙になったことがメディアを騒がせた。だが、人気が陰りを見せることはない。11月に行われる東京ドーム公演のチケットは、オークションで定価の10倍の値段で取引されるプラチナチケット化しているという。

 iKON(アイコン)の「恋をした(原題)」は今年1月末にリリースされ、半年以上過ぎた今も「ビルボード・K-POP・HOT・100」にランクイン(9月最終週27位)するロングヒット中だ。昨年NHKの語学番組「テレビでハングル講座」のナビゲーターを務めたGOT7は、最新ビルボード・K-POP・チャートで1位に。アメリカの人気トークショーにも出演した。

 WINNERは、心地いいキレイ系サウンドが、20代以上の大人たちに支持を受け、韓国だけでなく日本でも大人のファンを獲得するのに成功している。中国人2人を含む13人組SEVENTEENは今年5月、独立レーベルを立ち上げ日本デビューした。オーディション番組「PRODUCE101」シーズン2の最終合格者で結成され、昨年社会現象を起こした期間限定グループWanna One(ワナ ワン)も12月の契約終了を控え、ファンの熱気が高まりをみせる。

 BTSのアメリカでの成功を受け、いまK-POP界の関心はアメリカ市場へ移っている。BTSに続けと、GOT7が本格的な進出に向け布石を打ち、BLACKPINKも進出のタイミングを模索する。

 かつてビートルズがアメリカに上陸したことをきっかけにブリティッシュ・インヴェイジョンが起こったように、BTSをきっかけとした“コリアン・インヴェイジョン”が起こる可能性がある。その主役はまさしく“次世代アーティスト”たちだ。

(ライター・酒井美絵子)

AERA 2018年10月29日号より抜粋