ここで問題なのは、入会から委員決め、活動内容まで、会員の意思がほとんど反映されない点。

「意外と知られていないですが、PTAは入退会自由な任意の団体。加入するかしないかは自分で決められます。現段階では少数派になるため、勇気がいるかもしれませんが、どうしてもできない、やりたくないなら非加入の選択もアリなのです」

 自らの意思で参加すると選択したうえで、活動するのであれば、「やらされている感」も「負担感」も違ってくるはず。

「『こうしたらもっと楽しい』『無駄な作業をやめよう』など、活動内容に自分の意見を反映できれば、『頑張ろう!』という気持ちに自然となるのではないでしょうか」

 自分の意思を反映させるためには、中心で動くメンバーにならないと、と思う人もいるかもしれません。部長を経験した大塚さんは、「『時間も労力もかかる』というデメリット以上にメリットがあると思えば、やってみてもいいのでは」と言います。

 よく聞かれるメリットは、「学校によく行くので、子どもの様子が見られる」「先生と知り合いになれる」というもの。また「気の合う仲間ができて、意外と楽しめた」「子どもが成長しても、元役員同士ずっと仲良し」という声も。

 また、専業主婦だった人がパソコン作業や会議のまとめ役、イベントの仕切り役を経験しながらどんどん輝いていくケースも。

「役員経験を、仕事を再開する準備と考えてもいいですね。たしかに役員は体力的にも精神的にも大変な部分はあります。『子どものために100%の力でやらねば』と堅苦しく考えがちですが、自分自身がやってみたいかどうかで判断してもいいと思います」

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2018年 秋号 [雑誌]

高濱正伸,安浪京子,tomekko

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2018年 秋号 [雑誌]
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AERA編集部
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