【横浜FP事務所代表】平野雅章さん(53)/保険ショップ運営会社などを経て2007年独立。2千件超の相談実績を持つファイナンシャルプランナー。新規相談の7割は住宅ローン関連(写真:本人提供)
【横浜FP事務所代表】平野雅章さん(53)/保険ショップ運営会社などを経て2007年独立。2千件超の相談実績を持つファイナンシャルプランナー。新規相談の7割は住宅ローン関連(写真:本人提供)
毎月返済額の早見表(AERA 2018年10月22日号より)
毎月返済額の早見表(AERA 2018年10月22日号より)

 家を購入する際、ほとんどの人が検討する住宅ローン。借りるなら変動金利か、固定金利か? そもそもどこで借りるのが一番「得」なのか。住宅ローン最新事情を徹底リポートする。

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 巷では「金利の低い今は変動で借りておいて、金利が上がりそうになったら固定金利に切り替える」といった“住宅ローン指南”が幅を利かせている。

「実際にそこまで機敏に動ける方は少ないのでは。変動で借りた場合は、有利な条件で固定金利に借り換えられると思わないほうがいい」(横浜FP事務所の平野雅章さん)

 借り換えの手続きは、意外に煩雑。時間に余裕がある人でないとこまめな借り換えは無理だ。

 変動から固定への乗り換えが難しい以上、最初の「変動か?固定か?」の選択は慎重に。

「変動金利の場合、5年に1度、毎月の支払額も見直されます。お子さんがいる家庭では、教育費が家計を圧迫する時期が前もってわかる。そこで、金利の上昇を想定し、毎月の支払額が増えた場合、手元にお金がどの程度残るかがわかるキャッシュフロー表を作り、本当に完済まで変動金利でも大丈夫かを確認してもらいます」(同)

 変動か、固定かの決め手としては、年収に対する返済額の割合を示す「返済負担率」が重要になるという。

「ローンの返済だけでなく、毎月の管理費や駐車場代、固定資産税などマイホームの維持にかかる費用すべてを住宅コストと考えましょう。不動産会社はローン返済額だけの試算を出してきがちなので安く見えますが、そこが落とし穴です」(同)

 ローンの返済負担率は、教育費がかかる子どもの数で判断。

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安住拓哉

安住拓哉

出版社勤務を経て2021年に独立。経済関連記事全般が得意。取材・執筆歴20年以上。雑誌の取材記事の他、単行本のライティングも数多く手掛ける。

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