部屋選びに妥協は禁物だ【恥ずかしがらず隣人から情報収集】(AERA 2018年10月22日号より)
部屋選びに妥協は禁物だ【恥ずかしがらず隣人から情報収集】(AERA 2018年10月22日号より)

 新築マンションに比べて割安とはいえ、高額な買い物ゆえに安易な購入が命取りになる。物件の見極めるためには、少なくとも5軒程度は実物を見学する必要があるという。その際、築年数、価格帯、エリアなどの条件面に気を取られがちだが、住民の調査も忘れてはならない。この道40年のベテラン記者が、後悔しない物件の選び方を指南する。

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 物件そのものに加え、そこで暮らす人々から得られる情報も重要だ。

 まずは「張り込み」。時間があれば、何時間かマンションのエントランスが見える場所で張り込み、どんな人が出入りしているのか、そのときの管理員の対応はどうかなども見ておきたい。

 次は「聞き込み」だ。可能なら、マンションの住民に住み心地などを聞いてみよう。勇気を出してインターホンを押し、隣の部屋の住人に話を聞けば、付き合いにくい人かどうかもわかり、買った後のご近所トラブルを避けることができる。

 張り込みや聞き込みをするためには、仲介会社の営業担当者とは別に現地を訪問する必要がある。時間も労力もかかる。ただ、何千万円ものお金をかける買い物であり、何十年も住むことになるかもしれないのだから、恥ずかしいなどと言ってはいられないはずだ。

 警察の捜査員の間では、事件解決のために、「現場100回」といわれるそうだ。中古マンションの購入に当たってもそんな精神があってもいいのではないだろうか。

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