中学受験本番まで残り4カ月を切り、塾では志望校に向けての過去問対策や志望校対策が始まっています。そのような中、6年秋以降、「塾に行かない」選択をした家庭が毎年少数ではありますが出てきているといいます。受験本番が迫っている現在、塾に行かない選択をするのは親にとっても勇気がいるもの。そこで『AERA with Kids』(朝日新聞出版刊)では、サイト「かしこい塾の選び方」で主任相談員をしている小川大介先生に迷える家庭へ強力なアドバイスをいただきました。

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――この時期に「塾に行かない」選択をした家庭はどういう理由が多いのでしょうか?

「体調を崩してしまって、子どもに塾に戻る気力がなくなってしまった」「成績が上がらず、親子ともども通塾の意味がわからなくなった」「友達や先生との関係が悪くなってしまった」など、理由はさまざまです。とくに6年の秋は、親子ともども疲れが出てきますし、成果が思うように出ないと、実際に塾を辞めるかどうかはともかく、「このままでいいのだろうか」と悩む家庭は多いと思います。

――実はわが家の娘も夏休み以降、通塾ができなくなりました。子どもは受験はしたいと言っています。親としては受験そのものを見直したほうがいいのでは?とも思うのですが……。

 お子さんの気持ちはよく分かります。子どもは「受験を辞める」とはまず言わないものなんですね。見栄という次元でなく、子どもにとっての今までの勉強は、子どもの人生の中で時間をかけてやってきたことなんです。それを辞めるとなったら、自分の存在意義がなくなってしまう。会社辞めたら、抜け殻になっちゃう大人もいるじゃないですか。子どもはまだ広い世界を知らないので、なおさらです。

 ただ、だからといって成果が上がらないことが見えているままに、塾を続けるのはどうかと思いますよね。

 そこで一つお話しておきたいのですが、6年の秋から塾に行くのを辞めたけれど、受験の帳尻は合わせた、という成功家庭は毎年一定数いらっしゃるのです。で、成功した家庭のスタイルはほぼ一緒です。

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AERA編集部
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