友近:あそこ、見た人にマネされるようになるとうれしいですね。モノマネされて一人前やから。

──あの……すみません「ロッキー」ではないんですよね?

秋山:ろ、ろ……なんですか?

──ご存じない?

二人:知りません。

──それは失礼しました。他にはどんな作品が?

友近:昔から私も秋山さんも船がすごく好きなんです。だから次は船の話をやりたいということで意見が一致して。船って意外と貧富の差を感じる場所なんですよ。雑魚寝の人もいれば、一等船室に泊まる人もいる。

秋山:もしそんな船上で何か起きたら乗客は同じように助けてもらえるのか。そんなテーマの「船と氷山」という作品も仕上がっています。

友近:私が演じるのはお金持ちのヒロイン薔薇子。秋山さん演じる主人公の雀(じゃく)と二人で、船の突先で印象的なラブシーンを演じるのも見どころです。

──あの……確認ですが「タイタニック」ではないですよね?

秋山:タイ……? 何ですか?

──いや、何でもないです。

秋山:さっきから何かおっしゃってますけど、まぁ映画なんて世界中に似ている作品はいくらでもある。そんなことを気にしていたらいいものは作れませんから。ただ、何か大きな事態になった場合はすぐ「申し訳ない」と言う気持ちはあります(笑)。

──お二人が普段やっている、現実と虚構が絶妙に入り混じるコントの延長という感じもしますが、映像を拝見すると決しておふざけでやってないのは分かりました。すごい本気度。

友近:そう! そこはホントにそうなんですよ。そこは、っておかしいけど(笑)。

秋山:1作品につき、3、4日かけて撮ってますからね。

友近:本気でやってる面白さなので。洋画好きな人はもちろん、多くの人に見てほしいですね。

(構成/ライター・大道絵里子)

AERA 2018年10月15日号より抜粋