中学受験もいよいよ後半戦。志望校別特訓、模試、過去問対策に加えて学校の行事も多くなる時期。改めて見直されるのが、スケジュール管理ですが、「自分でスケジュールを立てて実行できている子はほんの一部です」と断言するのは、今大人気の中学受験専門カウンセラー・安浪京子先生。そこで、安浪先生の新刊『AERA with Kids Book 中学受験 最短合格ノート』(朝日新聞出版)の付録「1週間スケジュールシート」の書き方を、子どもたちに教えるワークショップを実施しました。ふだんは家庭教師に行っている子たちに直接指導しているという「時間管理のコツ」とは?

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 10月24日、3連休の最終日。紀伊國屋書店豊洲ららぽーと店内で行われたワークショップに参加した子どもたちは、4~6年の12名。スケジュール作りは初めてという子、いつもはお母さんがやっているという子、さまざまです。

 先生はまず、なぜ「スケジュール作り」が必要なのか、子供たちに説明することから始めました。

「中学受験に限らず、中学、高校に入っても勉強することはどんどん増えていくよ。高校生になった『お母さん、今日は何やればいいんだっけ?』っていうのってかっこ悪いよね?」

 子どもたちも笑いながらうなずきます。

 そして次に、子どもたちに付箋を一枚ずつ配ります。これに何を書くのか子どもたちはドキドキ……。

「このワークショップが終わったらお母さん、お父さんにおねだりしたい『ごほうび』を書こう!」

 安浪先生の言葉に、子どもたちはもちろん、周りで見学していた親御さんたちもビックリ。

「大人だってごほうびがあるかないかではモチベーションが違ってきます。今日のワークショップも親が一方的に申し込み、イヤイヤ連れてこられた子もいるはず。まずは子どものモチベーションを高め、その上でスケジュールを書く意味を考えさせる。その下準備が大切」(安浪先生)

「漫画を買って」「秋の服が欲しい」意外と現実的な『ごほうび』を書く子どもたち。

 続いて、いよいよスケジュール作りです。手順は以下の3ステップ。

 1.1週間にやること(宿題)を書き出し、それにかかる予想時間を書いてみる
 2.学校、塾、ごはん・おふろなどの毎日決まった時間を書き入れる
 3.余った時間に、1週間のやることを埋め込んでいく

 一見簡単そうにみえますが、ステップ1の「予想時間を書く」ところで手が止まってしまった子が続出。ふだん、「この勉強は何分で終わらせよう」という時間感覚を持たずに漫然とやっている子が多いことがわかります。

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AERA編集部
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NEXTステップ3で手が止まった子が続出…
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