Zeebraが自分の中の「ピースのバランス」が出来上がった、あるヒップホッパーの事件

連載「多彩な野菜」

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トマト/世界に8千以上の品種があるといわれる。昆布と同じうま味成分の「グルタミン酸」が含まれ、料理の味わいを深めてくれる効果も。赤さは抗酸化作用もある「リコピン」によるもの。リコピンの吸収率は生よりも加熱したほうがよく、油脂とあわせるとさらに良くなる(撮影/写真部・写真部・松永卓也)
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トマト/世界に8千以上の品種があると...

 ヒップホップ・アクティビストのZeebraさんが「AERA」で連載する「多彩な野菜」をお届けします。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続け、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ているZeebraさん。旬の野菜を切り口に、友人や家族との交流、音楽作りなど様々なエピソードを語ります。

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 スライスしても、加熱しても好き。なのに、サラダに入っているくし切りのトマトは残すことがある。なぜだろうって考えて、気が付いた。あの皮が苦手なんです。

 大好きだけどここがいま一つってこと、ありますよね。妄信的に何かを好きになるタイプじゃないのですが、若いころ「KRS-ONE」というヒップホッパーのことを、「言うことはすべて守ろう」と思うぐらい信奉していたんです。ところがあるとき、「ストリートに平和を!」って言ってた彼が、ほかのアーティストのライブに乗り込んで、そいつをぶっ飛ばしてマイクを奪うという事件があった。衝撃でした。

 でも、後で気が付いた。銃社会や戦争はよくない。けど、男なんだから拳をぶつけるぐらいの主張はあっていいということじゃないのか、と。彼の中では筋が通っているんだって。今に続く自分の中の「ピースのバランス」が出来上がった瞬間でした。そんなふうに、イヤな部分も時間が経つと好きになったりする。だからいつか「トマトは皮がうまいんだよ!」って言う日が来るかもしれません。

AERA 2018年10月1日号

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Zeebra(ジブラ)/東京を代表するヒップホップ・アクティビスト。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続ける行動力は他に類を見ない存在で、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ている。

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