(c)朝日新聞社
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 全米オープンの女子シングルスを制した大坂なおみ(20歳、世界ランキング7位)。凱旋試合となった東レ パン パシフィック オープンテニストーナメント2018(東京/立川)では23日、プリスコバ(チェコ共和国)との決勝で4-6、4-6のストレート負け。日本凱旋優勝はならなかったが、 プレーとともに観客を魅了した「なおみ語録」を振り返る。

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 大坂なおみが9月19日、、東レ・パンパシフィック・オープン2018のシングルス2回戦のコートに登場した。  全米優勝後初の試合、そして大坂が国内で出場する唯一のツアー大会ということもあり、平日夜にもかかわらずチケット約2500枚が完売。14年全豪オープン準優勝のドミニカ・チブルコバ(29歳、スロバキア、同30位)に6-2、6-1とストレート勝ちした。

 13日の帰国から連日イベントや会見に登場する「時の人」となり、そのフィーバーぶりからコンディションを心配する声もあったが、試合時間はわずか59分。男子選手顔負けの200キロに迫る高速サーブで、10本のエースを決めるなどほぼ完ぺきな内容だった。

 大坂の魅力の一つは、パワフルなプレーと天真爛漫ともいえるキャラクターのギャップだ。この日の試合後もコート上のインタビューで会場を盛り上げた。

「“なおみ”よりも“なおみちゃん”と呼ばれたいと語っていたが、どう呼ばれたいですか?」
「うん、なおみちゃんがいい」

 全米オープン優勝を祝し、会場に拍手が促されると「ちょっと恥ずかしい」と日本語で照れ笑い。一方で、その後の報道陣に対する会見では、

「今日は(サーブが)本当にうまくいった」

「全米オープンで優勝できたことが理由かどうかはわからないけど、自信を持って戦えた」

「(出した力は)全体的に見れば80%ぐらい。私の限界がどこにあるのかわからないので、今日が100%だったとは言えない」などと、英語で貫禄のコメントを残した。

 東京での過ごし方を聞かれると、英語でニコニコと話した。

「ニューヨークでは日本に来たら『原宿に行きたい』『ジェットコースターに乗りたい』と思っていたけれど、実際はそんな時間はなくてちょっと残念。大会が終わったら様子を見たい。あと、カツ丼を食べたいということは皆さん知っていると思いますが、今は大会中で減量しなければいけないので、まだ食べていないの(笑)」

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大坂なおみが世界中の人々の心をつかんだ理由