子どもでも、いや、子どもだからこそ、小さな悩みをだれに相談していいかわからず、一人で抱え込んでしまうもの。そんなときはぜひ、聞かせてください。ズバッと解決してみせましょう。小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』で連載中の「小さなことでも気軽に! こなやみ相談室」。今回は「両親の呼称、どのタイミングで変えたらいい?」という相談。回答者はコラムニストの石原壮一郎さんです。

【Q】両親を「パパ」「ママ」と呼んでいます。「おやじ」「おふくろ」か、せめて「父さん」「母さん」に変えたいのですが、きっかけが……。どうすればいいでしょうか。(Dai5さん 埼玉県/12歳)

■ダジャレの助けを借りつつ新たな一歩を踏み出そう!

 このお年頃の、とくに男子にとっては極めて深刻な悩みかと思います。たしかに、変えるきっかけが難しいですね。

 いきなり「父さん」と呼びかけるのは勇気を要するので、テレビで「倒産」のニュースが流れるのを待ちましょう。「へえー、あの会社が倒産だってさ……父さん」と言えば、どっちの「トウサン」なのか紛らわしいまま、「父さん」と呼んだ既成事実を作れます。

「母さん」は、雨が降りそうな日がチャンス。「今日は傘持ってったほうがいいよね……母さん」と話しかけましょう。やや苦しいので、最後はモゴモゴした口調でかまいません。大切なのは一歩を踏み出すことです。

 あるいは、唐突に「お父様、お母様」と両親に呼びかけてもいいかも。明らかにふざけているのでテレ臭さが小さいし、きっと両親は「そ、そんな呼び方やめて。父さん、母さんでどう?」と言ってくるでしょう。向こうから提案されたら、呼びやすくなります。

 いずれにせよ、思い切って飛び込んでしまえば、もう怖くはありません。今の悩みはウソのように消滅するでしょう。悩みというのは、そういうものだったりもします。

※月刊ジュニアエラ 2018年9月号より

ジュニアエラ 2018年 09 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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