出品を始めた直後はおもしろいように買い手がついたが、10日もするとあまり動きがなくなった。そこで、ネットオークション・ネットフリマアドバイザーの川崎さちえさんに私のアカウントへのアドバイスをいただいた。

「キーワード検索で引っかかるように工夫するのが大切です。メルカリでは単なる言葉の羅列は禁止されているので、本文や商品名にうまくキーワードを盛り込みましょう」

 商品名やブランドを英語でもカタカナでも表記できる場合、両方で表記してみる。「非売品」や「ハンドメイド」は注目されやすいので、商品名に盛り込むといいという。アドバイスに基づいて再出品してみると、まったく売れる気配のなかったものに「いいね」がつきはじめ、「非売品」のカルタは実際に売れた。売れなかったものも、「閲覧数」は確実に上がっていた。

 メルカリを始めて約3週間、計48品を出品し、20品が売れた。近所の郵便局や宅配業者に何度も足を運ぶうち、窓口の人と顔見知りになってしまった。

 売り上げは合計5万8千円。手数料(売上金額の10%)や送料、100均ショップで買った梱包資材代などを差し引いても、4万6千円ほどが手元に残った。欲しかったカメラのレンズを買うために売上金を引き出そうとし、はたと思いつく。それ、メルカリで買えばいいじゃん。

 あまりハマりすぎてもいけないが、これからもメルカリライフは続いていきそうだ。(編集部・川口穣)

AERA 2018年9月10日号

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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