孤独、一人、ぼっち。私たちはどのような時にそう感じるのか。そこで本誌はAERAネット会員などを通じてアンケートを実施し、孤独の実態を探った。

91人から回答があり、「あなたはいま、孤独だと感じていますか」の問いに、64%もが「孤独」と答えた。きっかけとして多かったのが、冒頭の小川さんのように、愛する家族、身内との別れだ。

 一方、家族がいても孤独と感じる人が少なくない実態も浮かび上がってきた。

 たとえば、大学職員のアサミさん(38)。夫(37)と一人娘(1)もいるが「孤独」を感じているという。なぜか。

「主人以外にヘルプサインを出せず、主人に出しても話にならないんです」

 アサミさんは今、夫の故郷に引っ越して子育て中。しかし夫は、子育てに関しては自己中心的で、やりたいことしかしない。子どもが熱を出そうが自分の遊びを優先させ、仕事を調整するのはいつもアサミさんだ。

 近くに友だちはおらず、親とは確執があり絶縁中。義理の親は当初、親切だったが同居を断ってから嫁いびりが始まった。中学時代の親友とSNSでつながっているが、孤独感はどうしても襲ってくるという。

 会社員のユキさん(47)も、家族がいても孤独だという一人。肩を落としてこう話す。

「娘から必要とされていないのか……。そう思うと寂しいです」

 夫(53)と長男(23)、そして長女で中学2年の娘(14)の4人家族。本当であれば娘と連れだって買い物に出かけたり、おしゃれの話をしたりしたい。しかし、娘に話しかけても、面倒くさそうな返事があるだけだ。原因ははっきりしないが、自立心が早く芽生えたのではないかと思うという。今、用事があるときは、メモやメールで済ませる。

「家族の間で笑いあうこともなくなりました」

夫との会話もない。子どもが幼いころ育児に協力しない夫とは、家事のやり方も含めて喧嘩が重なった。夫の帰宅は遅く、平日は顔を合わさない。週末も趣味のテニスで不在。今や「うっとうしいだけの存在」になった夫とは将来、一緒に暮らすつもりはないと、ユキさんは言う。

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