人の特徴など、愛情を持って突っ込むのが、今どきの人気者になるコツとか(撮影/写真部・小山幸佑)
人の特徴など、愛情を持って突っ込むのが、今どきの人気者になるコツとか(撮影/写真部・小山幸佑)
人の特徴など、愛情を持って突っ込むのが、今どきの人気者になるコツとか(撮影/写真部・小原雄輝)
人の特徴など、愛情を持って突っ込むのが、今どきの人気者になるコツとか(撮影/写真部・小原雄輝)

 お笑い芸人のメソッドを活用。保育園児から教員志望の大学生まで、発想力、表現力、コミュニケーション力は笑いで伸ばせ。

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見るからにまじめそうな男子学生が、真顔で話し始めた。

「僕の好きなものはコーギーレースです。足の短い犬が一生懸命走っている姿がかわいくて」

 かと思えば、元気のいい理系女子はこう言い放つ。

「先日東京で、南アフリカの人にナンパされたんですが……」

 そんな想像の斜め上をいく自己紹介に、会場はドッカンドッカン受けまくり。現実はお笑いより奇なり。ヘタなお笑いライブより笑えたりする。

 こちら東京理科大学でおこなわれている笑育(わらいく)という出前授業の一コマ。松竹芸能が開発した「お笑い×教育」プログラムのことで、自己紹介で笑いを取っていたのは、教員を目指す学生たちだ。

「教員に求められることと、芸人に求められることには、意外なほど共通点が多いんです」

 同大学の教育支援機構教職教育センターの井藤元准教授が言うように、先生たちがおこなう学校の授業も、パフォーマンス力が求められる。ところが笑育のように、パフォーマンス力を鍛える機会は多くはなかった。授業に参加した男子学生のひとりも言う。

「先生になりたいけれど、人前で話す機会があまりない。座学だけではない、こういう授業はありがたいです」

『笑育「笑い」で育む21世紀型能力』(松竹芸能事業開発室「笑育」プロジェクト著、毎日新聞出版)によれば、笑育プログラムの開発がスタートしたのは2012年。以来保育園から社会人まで、全国50カ所以上で笑育の授業を提供する。15年からは、前出の井藤准教授も、プログラムの監修に携わっている。

 さて、東京理科大での授業に目を戻すと、この日は社会人経験のある芸人コンビ「じなんぼ~いず」を講師に「初対面でインパクトを与える」自己紹介のための授業がおこなわれた。

 ちなみにポイントは、(1)しゃべっている人とのギャップを作る(2)誇張する(3)偏愛している物や事を入れる、という3要素。メモメモ。自分のようなへなちょこライターも、いい勉強をさせていただきましたっ。いや、これは“誇張”ではなく。

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