「黄」に入る卵類を食べると、認知症予防にも効果的とされるレシチンが取れる。「白」の乳製品はカルシウムを豊富に含んでおり、コップ1杯の牛乳で1日に必要なカルシウムの3分の1を摂取できるという。

 ここまでの4色が動物性タンパク質で、最後に「茶」で分類したのが植物性タンパク質だ。食材でいえば枝豆や納豆、豆腐などであり、食物繊維などを補給してくれる。

「栄養素は体の中でチームで機能するので、同じタンパク源でもいろいろな種類を混ぜて食べることに重要な意味があるのです」(小山さん)

 専門的な栄養素は一般の消費者にはわかりにくいが、5色に分けたタンパク質を頭の中で整理できれば、冷蔵庫を開けた時に「納豆が切れている。茶色がないな」と意識づけが進んでいくという。小山さんが冷蔵庫に常備をオススメするのは、「赤」なら流行のサラダチキン、「青」はサバ缶やツナ缶、「黄」は日持ちもしてすぐに食べられるゆで卵や温泉卵など。「白」の乳製品や「茶」の納豆などは調理せずにそのまま食べられる。

 なぜ、タンパク質が重要なのか。農林水産省が提唱する「食事バランスガイド」では、1日分の主食に必要な量を中盛りのご飯4杯分、全体の食事量のおおむね6割程度としているが、現代の食生活の感覚からするとズレている。

「今は食事の6割以上コメを食べている人なんて、ほとんどいないんじゃないでしょうか。平均寿命が延びてきたのは、血や筋肉や細胞を作る動物性タンパク質を多く取るようになったことが大きな要因でしょう。豆乳だけでもタンパク質を取れると言う人もいますが、アミノ酸の組成も違うし、体内での吸収や使われ方は動物性タンパクのほうが有利なんです」(同)

(編集部・大平誠)

AERA 2018年8月27日号より抜粋