羽田圭介(はだ・けいすけ)/1985年、東京都生まれ。17歳で作家デビュー。2015年に『スクラップ・アンド・ビルド』で第153回芥川賞を受賞。最新刊に『5時過ぎランチ』(撮影/写真部・片山菜緒子)
羽田圭介(はだ・けいすけ)/1985年、東京都生まれ。17歳で作家デビュー。2015年に『スクラップ・アンド・ビルド』で第153回芥川賞を受賞。最新刊に『5時過ぎランチ』(撮影/写真部・片山菜緒子)
特製ハンバーグの上にチーズ、野菜を添えて(撮影/写真部・片山菜緒子)
特製ハンバーグの上にチーズ、野菜を添えて(撮影/写真部・片山菜緒子)
ひき肉や鳥ハムを小分けにして常備している(撮影/写真部・片山菜緒子)
ひき肉や鳥ハムを小分けにして常備している(撮影/写真部・片山菜緒子)

 食事に気を遣うのは、体を使うアスリートばかりではない。芥川賞作家の羽田圭介さんは日々、高タンパクな食生活を実践。芥川賞受賞時のベスト体重に戻すべく、目下ダイエット中だという。その食生活を聞いた。

【写真】特製ハンバーグの上にチーズ、野菜を添えて

*  *  *

原則、食事は毎日ほとんど同じだというのは、芥川賞作家の羽田圭介さんだ。

 最近の夕食は「ハンバーグ」。冷蔵庫からパック詰めされたひき肉514グラムを取り出し、半分をつかみ取る。両手でバウンドさせて空気を抜き、楕円形に整える。みじん切りした玉ねぎもパン粉も入っていない。塩とこしょうで味付けはするが、楕円形のそれはひき肉の塊だ。そのままフライパンで焼く。

「チーズや焼き肉のたれをかけて食べます。味を変えれば飽きることはありません」

 羽田さんの食事へのこだわりは、「手間をかけず、タンパク質などさまざまな栄養をとり、筋肉量を下げない」こと。ハンバーグの添え物には、蒸したブロッコリーとブナシメジ。ブロッコリーは栄養価が高く、腹もちがいい。腸内環境を整えるため、不溶性食物繊維が豊富なキノコ類をとる。高タンパクな肉や魚を積極的にとり、スポーツジムへは週3回ほど通っている。

 決して料理好きではない。外食は「手間がかかる」と考える。

「外食は油や砂糖を大量に使っていてカロリーが高いものが多い。その余分なカロリーを消費するために運動をするのが面倒。そもそも、食事をするたびに外出しなければなりません」

 手間をかけたくないから、毎食違ったものは作らない。作り置き可能で、大量生産できるものを作る。芥川賞受賞時に食べていたのが鳥ハムだ。一度に4キロの鶏肉を買い、塩と砂糖で味付けし、ゆでたものを冷凍保存してほぼ毎食食べていた。

「低カロリーで、高タンパク。おいしいし、冷凍保存しても味の落ちない健康食です」

 食事を語るうえで欠かせないのが、タンパク質への強い意識。高校時代は友人たちとハンバーガーショップに出かけても、

「友人がジュースやフライドポテトのついたセットメニューを頼むなか、ハンバーガーを三つ注文したりしました。ただ、添加物は平気で摂取していて、栄養バランスに関しての知識は備えていませんでしたが」

次のページ