夏休みの定番の宿題といえば「読書感想文」。本を読み終わっていざ書こうというときに「どう書こうか」と悩む子どもも多いことでしょう。『AERA with Kids夏号』(朝日新聞出版)では、そんな気の重い宿題を「書きやすく」「人と違った表現で」まとめられる、「4つの型」を紹介しています。

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 筑波大学附属小学校教諭で全国国語授業研究会会長の青木伸生先生は、読書感想文について次のように話します。

「読書感想文というと『上手な文章を書かせなければ』と考える親御さんが多いと思います。しかし、読書感想文には『これがいい』という正解はありません。読書感想文は本来、自分の考えを深めるために書くもの。だから自由な発想で書いてほしいのです」

 しかし「自由に」となるとかえって難しいもの。子どもがスムーズに感想文を書けるようになるにはどのようにかかわるといいのでしょうか。

「本は親子で選んでも子どもが選んでもいいのですが、選んだ本は親も読んでほしいですね。そしてもし子どもが何を書くか、考えがまとまらないようだったら『この時、おじいさんはどう思ったのかな?』『もし◯◯だったらどうする?』などと質問をして、言葉を引き出してあげましょう。その時にピント外れなことを言っても否定はしないでください」

 これまで読書感想文に取り組ませるときに青木先生が見てきたのは、生徒たちが「どう考えるか」よりも「どう書くか」に悩む姿だったといいます。

「せっかく書きたいことがあるのに、書き方で止まってしまう子どもが多くいたのです。そこで、小学生時代に学習する説明文の4つの型をパターン化させ、その型に自分の書きたい内容をはめ込んでいく、という書き方の技術を習得させました。すると、書くハードルがグンと下がり、自分の書きたいことをじっくり考えることに集中できるようになったのです。『上手に書かなければ』というプレッシャーからも解放されて、発想がより自由になりましたね」

 4つの文章の型とはいったいどのようなものなのでしょうか。

(1)れっしゃ型
時間の経過や事柄を順序に沿って書く方法で、「時系列型」ともいう。「◯◯のつくり方」といった説明文や、「◯◯の育て方」といった観察文を書くときに使われることが多い。「はじめ→次→最後」の順番で書き進めていく。

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AERA編集部
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