コンセプトは“100年続く本屋” 店主の魅力が生きる個人書店たち

AERA#読書
 全国で書店が減り続けるなか、個人書店の新たな挑戦が始まっている。大手書店を退職して念願の店を持つこともあれば、50代後半で経験ゼロのまま始めてしまう人もいる。魅力的な本屋には必ず、店主の魅力的なストーリーがある。

【魅力的な本屋をフォトギャラリーでご紹介!】

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 東京の旧岩波ブックセンターの跡地に今年4月、オープンした神保町ブックセンター。企画・設計・運営を行うUDS社長・中川敬文さん(51)にとって、岩波ブックセンターは子どもの頃から身近な存在だった。

 書店経営の経験はなかったが、商売ではなく地域の文化資産の場として維持すべきと岩波書店に猛アタック。扱うのは岩波書店の本と神保町に関する本のみだ。

「学生から年配の方まで、幅広い層のお客さんに来ていただいています。売り上げは上々です」

 神保町交差点に、新たな景色が生まれている。

 書店閉店のニュースは確かに多い。しかしムダに心を沈ませる前に、実はあちこちで多様な個人書店が果敢に船出している事実を見逃さないようにしたい。

 生命の色であるブルーと復活の象徴・カバを合わせた古代エジプトの置物「青いカバ」を店名とした書店が東京・駒込にある。古書が9割、新刊書も1割は守るぞ、という変わった構成で、店主はかつて大手書店リブロに勤めていた小国貴司さん(38)。約300万円の開業資金は退職金で賄った。

「基本オールジャンルで、どなたでも入りやすくしています。特に厳しく選んだ印象を与えず、でもよく見ると良いのが並んでいる、というのが理想。選書意識の高い店だと、まず置かれないビジネス書や自己啓発本も、吟味して置いています」

 海外文学の充実ぶりには目を見張るものがある。「私自身が好きですし、遠方から、海外文学の棚をめざして来てくださるケースが多いです」

 つい最近、岩波文庫の『プレヴェール詩集』が飛ぶように売れるという「事件」もあった。

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