夏休みもいよいよ後半戦。残っている宿題のピッチを上げつつも、思い出作りや遊びもこなし、忙しい毎日を送っている頃ではないでしょうか。『AERA with Kids夏号』(朝日新聞出版刊)では、今後の学習に必要な「思考力・判断力・表現力」に注目した記事を多数掲載。今回はその中でも家庭で簡単に「算数センス」がつく「算数のおうち遊び」を紹介しています。夏休みの隙間時間にやって、2学期からの算数を一歩リードしてみませんか?

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 そもそも算数センスとはどのようなものを指すのでしょうか。math channel代表で「数学のお兄さん」として探究数学の楽しさを伝える活動を行っている横山明日希先生に伺いました。

「算数センスとは、計算したり公式にあてはめて問題を解いたりするような、処理能力以外の算数的思考を指します。例えば図形や速さの問題を解くとき、いったん頭の中で問題の内容を思い浮かべてイメージを動かしながら考えることがありますよね。このとき『実際には見えないものを頭の中で動かす力』を思い描けないと、立式に時間がかかったり、解き方がなかなかわからなかったり、ということが出てしまいます。逆に思考系の問題をすらすら解ける子どもは、問題を読んだときにこうしたイメージを上手に組み立てながら、何を求めるかを理解しスムーズに立式をしてしまうのです」

 では、そうした数学センスは一体どうしたら身に付くのでしょうか。

「算数センスは頭の中でゼロから生み出すのではなく、日常生活での実体験の積み重ねが大事です。『約20センチ』『3割くらい』などのざっくりとした数字を生活の中で実感したり、車に乗っているときの速度を見て、『60キロ/時はこれくらいの速さなんだな』と感じたり。高速道路で追い越したり追い越されたり、ということを意識するのもいいですね。算数のイメージも記憶を映像化することからできていくので、生活体験を増やしていくことがいちばんの近道なのです。長さや重さの単位感覚などは家庭に素材がたくさんあるので、ぜひそれらを使って子どもに体験の場を与えるといいですね」(横山先生)

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AERA編集部
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