お坊さん仲介サービスでお寺経営の何が変わった? 現役住職に聞く

AERA
「宗教活動の商品化」などと批判を受けながら、仲介サービスが葬儀・法事の主要な窓口となりつつある。お寺経営はどう変化しているのか? お坊さんたちによる匿名座談会で語った。

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●座談会参加者
住職A(50代)=19歳で出家。中国地方の真言宗系のお寺で修行した後、数年前に近畿地方で別院を開き、住職に。檀家はほとんどなく、仲介サービスを広く活用

住職C(40代)=伯父の後を継いで数年前に関西のお寺の住職に。いち早くHPにお布施料を明記するなどの先進的な試みに着手。ペット霊園なども運営

住職B(30代)=18歳で出家し、高野山で修行。若くして祖父のお寺を継ぐ。お祭りや行事ごとに積極的に励んで、檀家を獲得。現在、2人の弟子を抱える

──すっかり、お坊さんや葬儀会社を仲介するサービスが浸透してきましたが、お寺業界にはどんな影響が出ていますか?

A:私は19歳で出家して高野山で修行を積み、中国地方にある真言宗系の本山でお世話になった後、数年前に実家のある近畿地方に別院を開いたばかり。本山からは退職金のようなかたちでまとまったお金を頂きましたが、地元に戻ってすぐに母が寝たきりとなり、介護ですべてのお金を使い果たしてしまいました。付きっきりの介護で2年ほど別院としての活動もままならなかったため、今もほとんど檀家さんはおりません。そんななかで、「小さなお葬式」などの仲介サービスには大変お世話になっています。業界内では「宗教活動の商品化だ」などと批判的なことを言う方が多いのは重々承知していますが、私にとってはありがたい限りです。

B:私も18歳から高野山で修行を積ませてもらいました。Aさんと違って、若くして祖父が名誉住職を務めていたお寺を継いで今に至ります。1千年以上の歴史がある真言宗系のお寺ではありますが、実は祖父も知人から請われて住職になっただけで、自営業の片手間のお寺経営だったので檀家はごくわずか。私が後を継いだときも、ほとんどお布施収入がありませんでした。たまに法事を任されても、「こんな若い坊さんで大丈夫か?」という目で見られているのがありありとわかりました。そのため僧侶の仲介サービスが生まれた当初から登録させてもらい、離島でのお葬式も率先して引き受けてきました。何日も仕事がない日が続くことも多かったのですが、今では多くの法事を任され、弟子を2人抱えることもできています。地元の人と一緒にお祭りをやったり、地道な活動も実を結んでいると思いますが、仲介サービスの影響は大きいですね。

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