ニッセイエコ社では他にも、「じぶんで葬儀」というサイトを開設。サイト上に掲示された「アバター」をクリックするだけで自分好みの祭壇をデザインして注文できる、ネット経由の葬儀サービスも展開している。

 葬儀会社を介することなく、遺体の自宅への搬送や防水シーツ、ドライアイスなどを使った遺体処置、火葬場への納棺まで独力で行う。6万8千円からの格安葬儀サービスは「えっ、そこまで自分でするの」と感じてしまうほど斬新なものだ。

「社内で培ったIT技術をもとに、今まで手書きだった芳名帳をiPadなどのタブレットで電子化するサービスや、ユーチューブを使った葬儀のライブ配信など、ITを駆使した新しい弔事を模索しています」と船木さんが語るように、同社IT事業部のユニークなアイデアは広がるばかり。これまで、少しでも突飛なことをすると「罰当たり」といわれてきた葬儀の世界……ITの進化はその壁を突き破ることができるか?(経済ジャーナリスト・安住拓哉)

AERA 2018年8月13-20日合併号より抜粋

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安住拓哉

安住拓哉

出版社勤務を経て2021年に独立。経済関連記事全般が得意。取材・執筆歴20年以上。雑誌の取材記事の他、単行本のライティングも数多く手掛ける。

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